4 古いものへの思い

立派なマイホームと夢のようなコレクションに囲まれて、誰もがうらやむようなライフスタイルを送っているコウさん。そんな彼に古いものへの思いをお伺いしました。

ーーコレクションの期間ときっかけについて教えて下さい。

コウさん　集め始めたのは5年前ぐらいからですね。きっかけは妻がインターネットでパイレックスのキャセロールを買い、初めはなんだこりゃ？とまったく興味がなかったんですよ。たまたま次の週末にアンティークのフリーマーケットがあり、妻が連れて行って欲しいと。そしたら、まあ似たようなものずっと安く買えたんですよね。僕の中で何でこんなに値段が違うんだよと。そうしたら妻に「それが面白い所で、フリーマーケットなどで宝探し的な感覚で見つけるとすごくお得なのよ」と。すごく面白そうだなーと、少しずつのめり込んでいった感じです。

ーー奥様も共通の趣味なのですね。

コウさん　彼女はガラスに限らず可愛いものが好きですねー。そして古き良きものが好き。ただそこに可愛さがないとダメみたいです。僕の場合は古ければ良いという（笑）

ーーコレクションの数はどれぐらいあるんですか？

コウさん　うーん・・・数えた事がないけど、すごいですよ（笑）。マグだけで500個ぐらいはあるんじゃないですかね。1回アンティーキングに行くと、良いものがあればマグだけでも20～25個ぐらいは買ってしまうんで。正直に言えば無限なんですよねー。デザインもキリがないというか、自分のどこで歯止めをかけるか。もう一つは価格帯。安いものは、それこそ1ドルから買えますが、安いものばかりで満足できればいいんですけと、最近はそういうものを買わずに貯金して、なかなか手の出しづらい高額のアイテムを狙っていこうと夫婦で話をしていて。やっぱり量より質を上げて行きたいと最近は思っています（笑）

ーーミルクガラス以外には、どんなジャンルを集めていますか？

コウさん　パイレックスのパーコレーターなどのガラス製品だったり、ヘーゼルアトラスもクリアガラスは渋いですよ。かなり良い感じのタンブラーやビアグラスなどがあります。ヘーゼルアトラスは、他にもジャムやサワークリームを入れる容器を作っていたんですよ。そういうガラスの厚みだったり、昔のものは透明ではなく、ちょっと青みがかっていたりとか、形が六角形だったりとか、色々な面白いデザインがあるんですよね。やっぱり古いものはどしっとしていて、ガラスも贅沢に使われています。あとはスワンキーグラスも面白いですね。アメリカでは集めている方が結構います。他にはコーヒー缶とか、ちょっとしたプリントの可愛い缶などが好きです。ラバー人形なども好きですね。昔のアメリカのキャラクターグッズだとか、アドバタイジングのキャラクターも好きですし・・・。だから見極めて買っていかないと、センスがないものもあるので、そこに手を出すと難しくなってくるのかなーと思いますね。

ーー最近特に気に入っているコレクションは？

コウさん　最近ではないですけど、ファイヤーキングのナンシーのマグですかね。1個でも珍しいのに、一度に４つ積み重なって見つかりました。これはびっくりしましたねー。駆け寄って、幻じゃないかって思いました。他にはモザイクのスナックセットが山積みになって売られていたりとかねー、笑っちゃいましたけどねー。とにかくタイミングですよ。もう誰かが買ってしまった後だと遅いし、人よりも先に一番乗りで行かないと、何でもいい物は買えないのかなーと思います。そして回数行く事も大事ですね。通わないと分からない事があるし、ディーラーさんと仲良くなると、声をかけてくれるので良い事もあります。

ーーアンティーキングは月に何回ぐらい行くんですか？

コウさん　イベントが多い春先や夏の季節はほぼ毎週、冬でもなんだかんだ月二回は行っていますね。大体朝が早いんですよフリーマーケットって。6時オープンかな。それで9時頃にはもう会場を出てしまうんで、家に帰ってもまだ午前中なので一日潰すって感じではないんです。朝早起きしてちょっと行って、戻ってきてまた一日始まるみたいな。すごくいいですよー、一日が充実する。ただ朝からもうこんなにお金を使っちゃったよっていう時もあるので（笑）、その辺はお財布との兼ね合いかなと。まあとにかくこういう趣味ってお金かかりますよねー。

ーーインターネットのオークションなどは利用されないのですか？

コウさん　私の場合は、そこに売っていたというのが大事で、どこで出会えたかというのがすごく重要です。だからオークションなどでは、よっぽど欲しいものとか、お手頃なもの以外は手を出しません。それが醍醐味だし、現地で買う面白さはそこに尽きると思います。まだまだ私のコレクションは不揃いですけど、時間がかかっても、びっくり！ってやつを求めて方々したいですね。

ーーコンディションに関して、パーフェクトじゃない方が魅力的だとおっしゃっていましたね。

コウさん　そうなんです。「汚れやキズが味」なんて言葉がありますけど、初めのうちは本当にさっぱり分からなかったんですよ。「えー何で？」と。当時はマグを買って家に帰ると、とにかくピカピカにするんですよ。漂白剤につけて、新品同様に磨いて。それで蘇らせてこれが醍醐味だろうと。それがねー、ある時自分のものをフリーマーケットに出した事があるんですよ。その時に、まあ当然私が持っているものはピカピカですよ。ピカピカを並べるじゃないですか、これは売れるだろうと。それが1個も売れなかったんですね。なんでかなーと、オレが日本人だからかなーと。まあ色々考えたんですけど、フリーマーケットに通ううちに分かった事は、間違いなく汚れてないと売れないんです。キレイなマグっていうのは、基本的にアメリカ人は買わないんですよ。そこに魅力を感じないというか、食器に限らず、やっぱりちょっと錆びていたり、朽ちていたり、そういうものを味として見るんですよね。そういう事もあり、今では僕は多少のカケなどは気にしなくなりました。

ーーコレクションの熱は当分冷めそうになさそうですね。

コウさん　そうですねー。やっぱり宝探しが好きだから、都会を離れて自然の中で遊べるし、本当にいい趣味だと思います。年をとったら自分のコレクションをガレージセールで売っても面白いだろうし、いろんな広がり方があると思います。

ーー最後に日本のコレクターさんに向けて何かアドバイスはありますか？

コウさん　収集する環境が全く違うので、特にアドバイスなどはできませんが、私が集めている物は、その物のバックグラウンドがよりリアルで、それを含めた味を絶対的な醍醐味として楽しんでいます。時代の流行のプリントだったり、デザインもまた然りで、そういう時代の雰囲気や匂いにも惚れ込んでいます。みなさんも、そういう部分をお知りになられるとより一層愛着が湧いてきて、もっともっと好きになれると思いますよ。はまり過ぎるのも問題ですけどね（笑）。もし醍醐味を味わうために、アメリカNYへ行ってみようとお考への時は、ぜひ一度私に相談してみてください。ツアーコンダクターとして、現地でみなさまのお力になれたら嬉しいです。

コレクターさんご紹介

コウさんは本業の傍ら、現地でファイヤーキングなどのヴィンテージアイテムをお探しの方にツアーコンダクターも承っているそうです。経験豊富なコレクターさんだけに頼りになること間違いなし。ニューヨークやニュージャージー州近郊へ観光のご予定がありましたら下記のメールアドレスへ直接ご相談してみてはいかがでしょうか♪